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金沢でしか食べられない。旅先で出会った、静かな一皿の記憶
旅の記憶は、風景よりも先に、食べ物の感触として戻ってくることがある。
金沢に行ったのは、5月の連休のはじめ。加賀百万石の城下町は、観光地として知られながらも、どこか生活の匂いがする街だ。近江町市場の喧騒を抜けると、路地に静かな店が並んでいる。

皿の上に、金沢があった
最初に出てきたのは、刺身の盛り合わせだった。

赤みがかった魚が、薄く切られて並んでいる。金沢では「甘えび」「のどぐろ」「ぶり」が三大名物と言われるが、地元の料理人が選ぶ刺身は、それだけではない。旬のもの、その日に入ったもの、土地のもの。皿の上に、その日の金沢がある。
次に出てきたのは、低温で火を入れた赤身肉だった。岩塩と、一片のわさびだけが添えられている。素材で勝負する、というより、素材しかない。それが潔い。

揚げ物は、衣が薄く、サクッというよりもしっとりと軽い。油の切れがよく、後味がない。これが「石川の食文化」なのか、この店の技術なのか、私には判断できない。ただ、また食べたいと思った。

覚えていること
食事が終わって店を出ると、まだ夕方の空が明るかった。路地を少し歩いて、金沢城の石垣が見えるあたりで立ち止まった。
満腹だった。でも、重くなかった。それがいちばんの感想かもしれない。
旅のメモ
- 近江町市場は朝から昼にかけてが活気のある時間帯
- 夕食は予約必須の店が多い。連休中は特に早めに
- 東茶屋街は夕方以降、人が減って歩きやすい
アクセス
JR金沢駅から市内の観光エリアへはバス利用が便利(1日フリー乗車券あり)
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