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貴船神社と下鴨神社——夏の夕暮れから夜へ、ひとり参拝の静かな時間観光客が帰りはじめた夕刻、京都はまるで違う顔を見せる。
貴船神社へは、叡山電鉄の鸞馬線で鷣馬口を抜けた先、終点のひとつ手前、貴船口で降りる。そこから川沿いの道。15分ほど歩くと、あの有名な石段と朱の燈籠が迎えてくれる。
夏の貴船は、川床料理の接客期間だ。しかし目的を持たずにただ歩くだけでも、そこには十分な静けさがある。川の音、足元の砂利、木々が作る緑の天蓋。誤かと誰かと来るよりも、ひとりで来たほうがいい場所かもしれない、とふと思う。
貴船神社、昼と夜
本孮から奥孮まで続く参道は、日中はもみじの緑に包まれている。緑が濃く、空気が冷たく、夏であることを忘れる。
奥孮への道を進むにつれ、参拝者の数が減っていく。燈籠に火が入りはじめる夕刻、参道はひっそりと静まり返る。そこに立つと、この場所が何百年もの間、変わらずここにあり続けてきたことを、ただ感じる。
ライトアップが始まると、朱色の社殿が夜の中に浮かび上がる。派手ではない。ただ、深い。


