仁淀ブルーと、地の底へ。大阪から高知、青をたどる一泊二日
青、としか言いようのない色がある。
一月の高知。大阪を深夜に発って、地の底の闇と、山あいの淵の青へ。ふたつの「青の静けさ」を訪ねた、一泊二日の記録です。
大阪発・車ルートメモ(深夜割引を使う)
このマガジンでは今回から、大阪発の車ルートを簡単に残しておきます。経路は大まかに、費用は目安として。
経路:大阪市内 → 神戸淡路鳴門自動車道(明石海峡大橋・淡路島縦断)→ 徳島道 → 高知道・南国インター。片道およそ330キロ、休憩を含めて4時間半ほど。
出発は深夜1時。ETCの深夜割引(0時から4時のあいだに高速上を走っていれば約3割引き)を使うためです。夜明け前に高知に着き、道の駅で仮眠してから動き出す。急がない一人旅だからこそできる、静かな節約です。
龍河洞、一億七千万年の闇(一日目)
香美市の山すそにある龍河洞は、秋芳洞・龍泉洞と並ぶ日本三大鍾乳洞のひとつ。全長約4キロのうち、約1キロを歩くことができます。

中に入ると、まず音が消える。人ひとりがやっとの狭い通路を、天井から滴る水の音だけがついてくる。「穴居第一室」「七福神の館」と、綴られた名前をたどりながら、階段を上っては下りる。

最奥近くの「神の壺」は、弥生人が残した土器が二千年のあいだに鍾乳石と一体化したもの。人の時間が、地の時間に静かに呑みこまれていくのを、そこで見ることができます。
正月三が日でも、洞内ですれ違ったのは数組だけ。冬の洞窟は外より暖かく感じます(洞内はおおむね年間を通して15度前後)。
にこ淵、仁淀ブルーのはじまり(二日目)
いの町の山あい、仁淀川の支流・枝川川にかかる小さな滝壺。にこ淵は「仁淀ブルー」という言葉のはじまりの場所です。

地元では水神の化身である大蛇が棲むと伝えられてきた、神聖な場所。観光地である前に、祈りの対象です。訪れるなら、静かに、短く。
駐車スペースから急な階段を下りた先に、その青はあります。光が淵に差しこむ正午前後が、いちばん深い青。冬は人が少なく、水面に他人の影が映りこまない。

一月の朝、淵の前にいたのは、わたしひとりでした。
立ち寄りの余白 — 道の駅、神社、土地の味
道の駅633美の里(むささびのさと・いの町)は、国道194号沿い。にこ淵へ向かう道すがらの休憩に。山の野菜と手作りの総菜が並びます。
土佐神社(高知市一宮)は土佐国一宮。長宗我部元親が再建した社殿を、深い木立が囲んでいます。朝早くは参拝者もまばら。
味は、須崎の鍋焼きラーメンと、市場の田舎寿司。賑わいが苦手なら、日曜市は朝7時台に端から歩くのがおすすめです。
洞窟の闇と、にこ淵の青。どちらも、人の時間の外側にある色でした。帰り道もまた深夜割引の時間帯に合わせて、ゆっくりと大阪へ。
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