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Roametic-Travel~余白の旅

日本の「静かな青」を訪ねて——仁淀ブルー・秋芳洞、二つの青の記憶
Journal

日本の「静かな青」を訪ねて——仁淀ブルー・秋芳洞、二つの青の記憶

K.V.T

青にもいろいろな種類がある。海の青、空の青。けれど、地の底や山あいでひっそり澄んでいる青には、また別の静けさが宿っている気がする。人の少ない場所を選んで歩いてきた旅の中で、とりわけ心に残っている「静かな青」を、あらためて二つ、書き留めておく。

仁淀ブルー——高知の川底に沈む、透明な青

高知県を流れる仁淀川、その支流にある「にこ淵」で出会う水の青は、写真で見ていたものよりずっと静かだった。エメラルドとも群青ともつかない色が、川底の岩を透かして見えている。水面を渡る風がひんやりと肌を撫でて、見ているだけで体温が少し下がるような感覚がある。大阪から高知まで、青をたどって歩いた一泊二日の記録は、仁淀ブルーと、地の底へ。にまとめている。

秋芳洞——山口の地の底に広がる、巨大な静けさ

山口県の秋芳洞は、三億年という時間が刻んだ鍾乳洞だ。入り口をくぐった瞬間、外の暑さも音も、まるごと遮断される。真夏でも洞内は一年を通じて17度前後、天然のクーラーのような涼しさの中を歩いていくと、青白く照らされた鍾乳石が、静かにこちらを見下ろしているように感じる。地の底に広がるあの静けさについては、秋芳洞、巨大な静けさのなかへに詳しく書いた。

大正池——長野・上高地の朝に浮かぶ、鏡のような青

標高1500メートル、上高地の大正池は、朝いちばんに訪れると水面が鏡のように静まりかえっている。立ち枯れた木々が水に映り込み、その向こうに穂高連峰が青く霞んで見える。風が出る前の、ほんの短い時間だけ現れるこの静けさに出会うため、私は毎回、始発に近いバスに乗る。大正池から明神池まで歩いた朝のことは、上高地、一人で行くとはじめて見えるものに書いている。

川、洞窟、山の池。生まれ方も温度もまったくちがう三つの青だけれど、どれも人の声が少ない時間に訪れたからこそ、心に残った。静けさの色を探す旅は、まだ続いていく。

K

この記事を書いた人

K.V.T(Kaori)

Webデザイナー・旅ライター。女性の一人旅でも安心して歩ける静かな場所、小さな宿、土地の食卓を、やわらかな視点で綴っています。旅先でふっと息がほどける余白を、少しずつ集めています。

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